TOEIC L&R(以下、TOEICとします)スコアは、直近のスコアと目指すスコアによって勉強法や教材を変えた方がいいとはわかるものの、ある程度スコアが取れていると、対策方法に困ってしまうことがあります。
特に、700点後半に達すると、ListeningにしろReadingにしろ、ある程度得点できているために、ハッキリと明白な弱点を見つけるのが難しかったりしませんか?
わたしの直近のTOEICスコアは680(10年前ですが…。)思い立って「よし、やるぞ!」と一念発起したものの、一体どうやって勉強すればいいのか見当がつかずに困りました。でも今は、後述するアプリたちを使った勉強法によりかなりの手ごたえを得ています。
そこで、今の勉強法に至った経緯と役に立ったアプリについて書いておこうと思いました。よかったら参考にしてくださいね。
まずはTOEICの“苦手”を正確に洗い出す
【確認】TOEICの問題構成とそれぞれのパートの特徴
TOEICの問題構成は、大きくListening-4パートとReading-3パート、合計で7つのパートに分かれているのはご存知だと思いますが、それぞれの特徴はこんな感じでしょうか。
Part | L/R | 問題の種類 | 特 徴 |
1 | L | 写真 描写 | 日常的に使用される表現の聞きとりができるかがポイント。 |
2 | L | 応答 | 10 words前後の応答で、問いの文頭が聞きとれるかがポイント。 |
3 | L | 会話 | 会話の前半で主題を聞きとり流れに乗れるかがポイント。 |
4 | L | 説明文 | 前半でどんな場面か聞きとれればPart3よりラクに思える。 |
5 | R | 短文 穴埋め | 語いの意味・語法等の正確な把握が求められる。 センター試験第2問が超絶難しくなったイメージ。 |
6 | R | 長文 穴埋め | 前後関係を把握し、文脈と文構造に沿う句・節・説明を選ぶ。 |
7 | R | 文書 | 正統派の読解問題のイメージ。問題文の構造はほぼPREP法で 冗長な表現は見られない。時間との闘い。 |
そこそこできることがスコアが伸び悩んでいる理由かも
わたしは高校や学習塾、専門学校で英語講師をしています。なので、英語の試験ならそこそこいい点が取れます。でも、満点じゃない。あくまで “そこそこ” の域を出ないんです。通知表で言うと “オール4” みたいな感じでしょうか。
“そこそこ” のいいところは、総合力で勝負できるところ。実際に英語を使って仕事するのは限定された状況下でならできます。TOEICも、大して対策せずともスコア680が取れました。(繰り返しますが10年前です。笑)
対照的に、“そこそこ” の欠点は何かと考えると、弱点を見つけにくいところなんじゃないかと思いました。もっと高スコアを取りたい!と思った時に、どこを補強していけばいいのかわからないからです。これが弱点を洗い出そうとしたきっかけでした。
弱点を効率的に見つけられるTOEICアプリSanta Toeic
弱点を見つける勉強法はいろいろありますよね。TOEICならパートごとのスコアを比較して、得点が低いパートのスクリプトや問題文を精査する…これが王道です。
ただ、王道にはリスクもあります。それは、時間がかかるというリスク。例えば、スクリプトや問題文の精査をしていると、結局未習単語の習得に終始してしまったりしますよね。笑
もっと効率的に勉強したい、とわたしは思いました。また、すきま時間を使って取組みたかった。そこでスマートフォンで勉強できるアプリはないかな~?と探して出会ったのが Santa Toeicです。
最初に診断テスト(10問)があり、予測スコアがわかります。上の写真はこのアプリを1か月使って勉強した後の予測スコアと各パートのランクです。苦手が一目瞭然ですよね。
ランクは最上がA+。下はFまであります。診断テストは無料なので受けてみてください。ちなみに、予測スコアは50問解くごとに変わります。
このアプリを使っていて一番助かるのはAIコーチの存在です。どこで間違ったかを記録してくれ、弱点を克服できるような問題を選んで出してくれますので、自分で分析する手間を省いてくれます。
また、「このパートの勉強をしましょう」「主題を見つけるのが苦手」「副詞について勉強した方がいい」と、弱点に沿った講義動画をおススメしてくれたりします。
わたしはAIコーチの分析によって “Part1” が苦手であることがわかりました。Part1は写真あるし問題数少ないしカンタンでしょ、と軽視してたので、実は苦手だとわかった時はちょっと落ちこみました…(笑)
この原因は風景描写に関する語句を知らないことでした。英語での風景描写って日本で暮らしていたらあまりしないですもんね。言い訳ですが。
学習を続けていくうちに、だんだんメッキがはがれてきます。これが実に興味深い。悔しいけど。「げ。どうりで…」とか「え、そうだったの?」という独り言が増えます。
練習問題は、”EASY”, “NORMAL”, “HARD”の3つの難易度から選べます。パートのランクがAに上がると”HARD”を勧められ、誤答率の高い問題が出題されるんですが、確かに難しいです。
問題解答中に時間を計ってくれるのも、結構助かる機能のひとつです。Part7の大問を1分で解くとかできるようになるんだろうか…(汗)AIコーチ、結構ドSだなと思います。笑
リスニングパートの対策とアプリMOKAえいご漬け
ここからは、リスニングパートの対策についてお話していきますね。
前述のSanta ToeicのAIコーチによると、「900点を目指すならリスニングの強化が先」ということで、正解・不正解にかかわらずスクリプト学習を始めました。こんな手順です。
- スクリプトで聞きとれなかった箇所をチェック
- スクリプト全体の文法・語いチェック
- スクリプトを見ながら聴き直す
- 音読する
しかし途中で「なんかこれ違う」と思いました。特に、 “4.音読” に取り組んでいる時に違和感がありまくります。さっき聞いたのと違う、どこがどう違うのかわからないけど、違う。スクリプト通りに発音しているはずなのに…と疑問に思いました。
上手にマネができない…なんで?
発音の問題もあるとは思いますが、r音とl音が言い分けられないなどという問題では無い気がしました。そこで思いついたのがシャドウイングです。
しかし、シャドウイングは全く功を奏さなかった…というよりそもそもうまくできませんでした(笑)聞いた音をそのまま発音するのって意外なほど難しいし、何よりクソ速い!!
短文ならうまいことできるんですが、それは聞いた音をそのまま出しているんじゃなく、瞬間的に暗記して言い直したに過ぎないなと自分で思いました。しかも発音がヒドイ(笑)ほとんどカタカナです。恥ずかしがって英語を話してみた人みたいな感じがして、一人で真っ赤になってました…。
これはマズい。まずシャドウイングができるようにならねば。正直、回り道なようにも思いましたが、できることを積み重ねていくしかないと思いました。だって全然言えないし。
そして探したのは、以下の条件を満たすシャドウイング教材です。
そうして見つけたのが、MOKAえいご漬けでした。
MOKAえいご漬けは、ペラペラ話せるようになるためのアプリなんだそうですが、上の3つの条件をすべて満たすものでした。その後短文のシャドウイングに取り組むことによって弱点が丸裸になりました。
弱点:文字には表れない音が捕まえられない
わたしが長い間慣れ親しんできた学校英語では、学習者用にキレイに発音された音源を使って学習を進めます。スピードはゆるやかで、発音も明瞭です。
しかし、学習者用に最適化された音源と、実際のEnglish speakerによる会話の音には違いがあります。どう違うのかというと、実際の会話には、文字には表れない音が出てくるんです。
今まで自分の中で問題になったことがなかったから、見過ごしていたというか、無かったことにしていたのかもと思いました。やらかしたな…。
わたしが聞きとれないのは、ざっくりと3つ。
これらの英語特有の音変化についてはWeblioさんの記事がわかりやすかったです。
MOKAえいご漬けでは、シャドウイング実践のことをワークアウトと呼ぶんですが、ワークアウト中のダイアログにこのような英文がありました。
I’ll buy it when I get my salary from my part time job.
バイトの給料が入ったら買うよ。
こんなに単純な文なのですが、文字を読んでわかっても、文字無しで聞くと驚くほどわからないんですよこれが。ほんと、英語教師の看板を下ろしたくなりましたよ…。
ネイティブが読むとこんな感じになるそうです。
リダクションとリンキングが起こっている箇所をマークしてみました。
I’ll buy it when I get my salary from my part time job.
わたしは”when I get” が聞きとれませんでした。この部分は、文中でサブ的なはたらきをしているので、強勢が置かれず素早く読まれますから、余計に。
文の主題ではない要素は気にしなくていい、とは言いますが、そこに大切な要素が入っていることもままあると思うとやっぱりひとまず聞こえるようになってから判断したいな、と思います。
こうして、短文をシャドウイングすることによって、リスニングの弱点 “文字にならない音が聞けない” がわかりました。
シャドウイングよりオーバーラッピングから始めよう
聴こえてきた音をそのまま言う、というのは、初めのうちは難しいです。どうしても文の意味を理解しようとしてしまいます。
よって、オーバーラッピングから始めてみました。英文を見ながら、そっくりになるまで繰り返し発音します。
初めのうちはホントにお粗末なんですが、5回繰り返すとマシになります。そっくりマネができるようになってから、目をつぶりシャドウイングしてみると、なるほど、ちゃんとできるようになりました。
MOKAえいご漬けのいいところは、CEFRに準じてワークアウトが構成されているところと、英文が日常よくある場面での内容で、自然であること。
CEFR(セファール)はあの便利なポットじゃなくて語学の熟達度を測る国際的な基準なんです。旺文社リスニングアプリ「英語の友」さんからのリンクを貼っておいたので、興味のある方はご覧ください。見やすいページでした。
わたしの持論に「言ったことがない言葉は聞こえてこない」というのがあります。文字にならない音が聞こえないという問題は、この持論をまさに裏付けるものとなりました。
TOEICでよしんば高スコアが取れても、そこで終わりにするつもりはありません。オーバーラッピングはアウトプットに類すると思うんですが、後々話すための身体を使ったインプットでもあるんだなと思いました。
「なかなかスコアが伸びない…」と悩む時間はもったいない
ここまで2つのアプリを使った勉強法をご紹介しました。実は、紹介したアプリの効果を存分に享受するために、そこそこのお金がかかりました。とはいえ5,000円ぐらいですが、アプリに課金するにしては高額だと考える人もいるかもしれませんよね。
わたしは、5,000円で効率を買うと考えました。「どうすれば?」「損するのでは?」「元が取れるかな?」と考える時間がもったいないと思ったからです。
TOEICの高スコアに挑戦しよう!という人には、すでにお仕事で活躍されていて、さらなるスキルアップを狙っているイメージがあります。悩む時間を効率化し、それによって得た時間を、他の活動に回してくださいね。
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