※この記事は、あくまで我が家の猫たちの経験を基にした個人的な記録です。猫の体調管理については、必ず獣医師にご相談ください。
はじめに:「様子見」でいいのか、毎日迷っていました
猫の体調が、なんとなく安定しない。
でも、病院に行くほどではない気もする。
元気がないわけでもなく、食欲もゼロではない。
ただ、嘔吐や軟便をときどきしていて、「様子見」でいいのかどうか、判断に迷う。
私は、そんな状態の中で長い時間を過ごしていました。
ネットで調べたり、飼育本を読んだりしても、どこかしっくりこないまま。
これは、めいちゃんとろりーちゃんの体調が行ったり来たりしていた時期の記録と、その中で私が気づいたことの話です。
後になって分かったのは、その原因が、病気ではなく
「毎日当たり前にあげていたもの」
の中にあったかもしれない、ということでした。
私が経験した症状と迷い
なんとなく調子が悪い期間が続いた
はっきり「病気」と言えるような症状があったわけではありません。
でも、振り返ると、どこかずっと落ち着かない状態が続いていました。
よく食べる日もある。
でも翌日は急に食べムラが出たり、吐いちゃったり。
お腹は空いてるはずなのに、あんまり食べる気がなさそうに見えたり、残しちゃったり。
便の状態も、いい日とそうでない日を行き来していました。
「今日は調子がいいのかな」
「昨日は何が悪かったんだろう」
そんなことを毎日考えていて、大きな異変はないのに、ずっと気持ちが休まらない感じでした。
病院に行くほどじゃないけど不安だった
もちろん、動物病院に行かなかったわけではありません。
定期的な診察や、気になるときの相談はしていました。
検査結果は問題なし。
獣医師から
「年齢を考えると、元気なほうだと思いますよ。」
と言われ安心する一方で、家に帰るとまた迷いが戻ってきます。
「じゃあ、この小さな不調は何なんだろう?」
「様子見でいいのかな…。」
「私の気にしすぎ?」
病院に行くほどの症状ではない。
元気かそうでないかと言われれば「元気なほう」。
でも、何もせずに放っておくのも違う気がする。
この“間の状態”が、一番しんどかったかもしれません。
フードを変えて知った「脂質」とうんちの関係
めいちゃんの具体的な症状
この頃のめいちゃんは、体調の波がはっきりしていました。
週に3回ほど嘔吐を繰り返し、嘔吐がひどい時は軟便は出ない。
逆に、吐かない日は軟便になる。
そんな状態が、延々と続いていました。
ろりーちゃんのほうも、決して楽観できる状況ではありませんでした。
冬から春の季節の変わり目の影響もあってか、元気度はかなり低空飛行。
自分から水を飲まなくなり、一日中寝て過ごすような日が続いていました。
病院で点滴をすると一時的に少し持ち直すものの、「良くなっている」とは言い切れない、どん底の状態だったと思います。
※ろりーちゃんの体調については、別記事で詳しく書いています
「よくわからない状態」が続くと、ほんまにしんどいですね。
試行錯誤で気づいたこと
フードの脂質とうんちの関係を知ったきっかけ
脂質が体調やうんちに影響するのかも、という考えを知ったきっかけは、
軟便と嘔吐を繰り返していためいちゃんにあげた「黒缶」でした。
当時の記録を見返してみると、その頃のめいちゃんとろりーちゃんは、
カリカリをほとんど食べなくなっていました。
その頃メインにしていたのは「ヒルズ 腸内バイオーム」。
便秘気味の2頭がよいうんちを出してくれればと、
ちゅ~るをトッピングしたりしながら、何とか食べてもらおうとしていました。
でも、どちらも次第に拒否されるようになっていきました。
便秘気味なら水分補給も大事。
めいちゃんがよく吐くということも相まって、ウェットフードに頼るようになっていました。
「カルカン」一辺倒では飽きるのではないか…と、そんな時にあげてみたのが「黒缶」です。高齢猫用ではなく、一般成猫用をあげました。
食いつきはとてもよく、ローテーションの1つにできそう、とホッとしたのも束の間、めいちゃんが軟便をしてしまいました。
思い当たる要因は「黒缶」しかない状況でした。
「脂っぽさ」の正体
ネットで調べてみると、「黒缶」で軟便になったという情報を目にしました。
軟便になったどうしよう…という質問者への回答に、
「黒缶は脂っぽいから、体質によっては合わない子もいると思います。」
…という記述があり、なるほど…と納得したのを覚えています。
栄養成分表の数値でいえば、「黒缶」は脂質低めのほうだと思います。
しかし、先ほどの「黒缶は脂っぽいから…」が誤った見解なのかというと、そうではなく、結局は何の脂かということだと思います。
「黒缶」の脂は魚由来のものでしょうから、魚の脂が苦手であれば、「脂っぽく」感じるでしょうし、軟便をするのもあり得る話だと思います。
しかし、当時の私はここまで考えられず、「黒缶」に関しては
「食いつきがよくて好きそうでも身体に合わないことがあるんだな」
と結論付けました。
嗜好性の高いフードに頼った日々
未解決のモヤっとした現実は、原因不明のまま残ります。
事態を収めてくれそうなフードは食べてくれない。
体重は減る。
吐く。
うんちは緩いときもある。
「カルカン」だって、いつ食べなくなるか、合わなくなるか、わからない。
怖い。
そして、
「食べないよりはマシ」
「とにかく口に入れてほしい」
「安パイが欲しい」
そう思って、手が伸びたのが「シーバ」でした。
結果的に、その頃は
シーバがメイン
という、今の私から見れば
「そりゃお腹壊すよね…」
という嗜好性全振りな食生活になっていました。
でも、その当時の私は、そんなことに気づくはずもありませんでした。
ただただ、
食べてほしい
それだけで必死だったんです。
「ファーストフード」という表現で腑に落ちた
あるとき、ネットでこんな記述を見かけました。
「シーバはファーストフード」
「黒缶は人間でいう焼肉のようなもの」
人間の食べ物になぞらえて言われるとピンと来るものがありました。
そこで初めて、原材料名だけでなく、成分表示を見るようになりました。
同じ「総合栄養食」でも、各数値にはかなり幅があります。
そしてその差が、体調の出方に影響している可能性があります。
数値上問題がなくても、アレルギーの問題もあり得ます。
フード選びの奥の深さと種類の多さにノイローゼになりそうでした。
獣医師との連携:「原因が見つかった」と思ったけれど
定期通院でめいちゃんに吐き止めの注射が打たれ、
内服薬としてディアバスターとビオイムバスターが処方されました。
1週間ほど投薬を続けると、嘔吐は止まり、うんちも一旦は普通に戻りました。
この時は「やっと落ち着いたかもしれない」と感じていました。
下痢パネルの結果
ところが、そのタイミングで「下痢パネル」の結果が戻ってきました。
クロストリジウム・パーフリンゲンス陽性でした。
「この不安定さは菌のせいだったのか。」
「菌さえ駆除すれば、この不安定さは消えるはず…!」
やっと答えを見つけた。そう思いました。
「この菌がいなくなれば、めいちゃんはきっと安定する。」
駆除のために処方されたのはフラジール。
朝晩2回、20日間の投与が始まりました。
投薬のための「おやつ」が招いた新たな問題
めいちゃんは「ごっくん」ができるので、薬臭ささえ隠せば飲ませられます。
そこで、投薬にはまぐろソーセージと投薬用チーズ、それに投薬用ちゅ~るを用意しました。
どれも嗜好性高く作ってあるおやつです。
薬をきちんと飲ませることが最優先だったので、かなりの量を使っていました。
「今は治療中だから」
「食べてくれるなら仕方ない」
そう自分に言い聞かせながら。
結果として、検査上、悪い菌はいなくなりました。
目的は確かに達成されたのです。
ただ、その一方で、めいちゃんの身体には、
かなりの量の“油”が積み重なっていたのだと思います。
そのせいか、不安定な状態が依然として続きます。
原因は取り除かれたはずなのに、嘔吐が出たり、出なかったり。
軟便こそしないものの、体調が良さそうな日とそうでない日が繰り返されていました。
私は、投薬が終わり残ったチーズや投薬用ちゅ~るをめいちゃんにあげながら、
「おかしいな…なんでだろう。」
と、苦悩しましたが…めいちゃんの不安定さの原因に気づくのはもう少し後のことになります。
空腹時嘔吐が教えてくれたこと
夏になって気づいた変化
夏になりました。
吐く頻度がだいぶ下がりました。
ブラッシングをして、ブラシに付いてくる毛量が減ってきたのを見て、
「やっと毛玉吐きから解放される」
そう思いました。
そしてドライフード。
めいちゃんのお気に入りが見つかり、シーバ一辺倒から脱却できました。
サイリウム入りフードを食べないので、
サイリウム粉末をあげるようになりました。
毛が絡んだ立派なうんちを見て、胸をなでおろしました。
こう書くと調子が良さそうに見えますが、
めいちゃんの不安定さは依然として続いていました。
記録を見返すと、週に1~2回は吐いています。
そして、この頃から空腹時嘔吐の頻度が上がってきていました。
空腹時嘔吐の際には、必ず大きな毛玉が吐き出されていました。
「食べない」のではなく「食べられない」
この頃私が抱いていた疑問は、この2点でした。
- これまで毛玉を吐くなんてほとんどなかったのに、なぜ今年はこんなに吐くのだろう
- 空腹ならなぜごはんを食べないのだろう
1について。
毛玉を吐くのはサイリウム粉末をあげるようになってからだいぶ減ったことから
春先のフード変更(ドライ→ウェット)により繊維を摂れていなかったものと思いました。
そして2について。
「お気に入りのドライフード」をあげるようになってしばらくしてから、
早朝給餌のごはんが朝になっても残ったままのことが増えました。
そして、そんな朝に起こるのが空腹時嘔吐でした。
これはつまり、「食べない」のではなく、「食べたくない」「食べられない」のだということに気づきました。
これには頭を抱えました。
早朝給餌で出していたのは「お気に入りのドライフード」でした。
お気に入りでも食べたくないなんて、何かの病気なのでは?と思いました。
でも、お皿が空になっている日もあったので余計に訳がわからず、朝が来るのが怖い時期が続きます。
ハイカロリーフードの落とし穴
「お気に入りのドライフード」とは、「ロイヤルカナン ヘア&スキンケアー」です。
オメガ3配合、ハイカロリー。
あげる量を少なくしてみると、空腹時嘔吐が止みました。
けれど、ウェットフードまでも残してしまう日が出てくるようになってしまいました。
この時の私は、めいちゃんが「ついにカルカンに飽きた」のだと思いました。
そこでカルカンの後継として「黒缶」を選びました。今度は高齢猫用です。
総合栄養食のウェットフードは、意外と選択肢が狭いと思います。
「手ごろで毎日あげられる」を条件に入れると「黒缶」を選ぶしかありませんでした。
ちなみに、「カルカン」「黒缶」と同価格帯に「ねこ元気 総合栄養食 パウチ 15歳以上用」がありますが、この少し前に試し、軟便が出てしまっていました。
ノイローゼ寸前だった私
この頃の私は、めいちゃんのフードに関し、ノイローゼ寸前だったと思います。
「黒缶がダメだったら後がない」
こう思い込んでいました。
「黒缶」への食いつきは目を見張るものがありました。
「黒缶」につられて、残すことが当たり前になっていた「カルカン」もきれいに平らげためいちゃんを見て、すごく嬉しかった。
しかし、5g, 7g, 10gと順調に量を増やして15gに到達する頃、めいちゃんは早朝給餌のごはんを食べなくなり、止まっていた空腹時嘔吐が再び始まりました。
すべてを拒否した朝
そしてある朝、空腹時嘔吐の後、めいちゃんはすべてのフードを拒否しました。大好きなミルクまでも拒否。水を飲んでも吐くといった有様でした。そこから15時間、めいちゃんは何も食べませんでした。
水を飲んでも吐かない状態になるまで6時間かかりました。
気持ちが悪いのか、ぐっすり眠ることも難しいようでした。
私はめいちゃんの傍について、なぜこうなったのか考えました。
脳裏によぎったのは
「シーバはファーストフード」「黒缶は焼肉」
これが本当の答えだ、と思いました。
9時間後、めいちゃんは「いつものカルカン」をおいしそうに食べてくれました。
今だから思うこと
この経験を通して、私が学んだことをまとめます。
よく食べる ≠ 身体に良い
人間の食事でも同じですが、
「おいしい」と「身体に良い」は必ずしも一致しません。
猫が好んで食べるからといって、毎日大量にあげていいものとは限りませんでした。
フードの「脂質」と「脂の種類」に注目
成分表の数値だけでなく、その脂がどこから来ているのか(魚由来か、動物性か)も、体質によって合う・合わないがあるようです。
「黒缶」はまさに典型例だったと思います。
また、合う・合わないにしても、
「吐く・軟便」のようなすぐに結果がわかるような症状もあれば、
めいちゃんのように「少しずつ胃への負担が蓄積する」ようなわかりにくいものもあります。悩ましい…。
投薬用おやつも「食事の一部」
治療のためとはいえ、投薬用のチーズやちゅ~るも、猫の身体には「食事」として蓄積されていきます。
少量でも毎日続けば、影響が出ることがあると実感しました。
素人判断の限界を知る
獣医師は動物の専門家です。
素人にはない獣医学的な知識と、その蓄積から生まれる洞察を以て、日々診断し続けておられます。
一方で、飼い主である私は、
食べた量や排泄、行動の変化といった「見える部分」しか判断材料を持っていません。
そこから先――
それが様子見でいい状態なのか、
受診を考えるべきサインなのか、
確信を持って線を引くことはできませんでした。
今振り返ると、
その「判断に迷い続けていた時間」こそが、
素人判断の限界だったのだと思います。
今、振り返って
今も、あの頃の出来事を振り返って
「これが正解だった」と胸を張って言えるわけではありません。
ただ、ひとつだけはっきり言えるのは、
あのとき感じていた「何かおかしい」という感覚は、
気のせいではなかったということです。
高齢になると、
それまで問題なかったものが、
ある日突然、静かに合わなくなることがあります。
めいちゃんの場合、
それが脂質だったのかもしれない――
今は、そう思っています。



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