仕事中にどうしても眠くてつらかった
私は双極性障害持ち(Ⅱ型)で、気分の波があります。
とはいえ、長いこと寛解期にあり、お薬を飲んでいれば気分の波はほとんどなく問題なく働けていました。去年の今頃には断薬の話も出ていたほどでした。
ただひとつだけ、私を悩ませていた症状がありました。それが眠気です。
私は講師業のほかに団体事務局員の仕事をしているのですが、決算期や案内文書を大量発送するなど、事務作業が混んでくるときまって作業中に眠気に襲われるようになってしまいます。
今でこそ「双極性障害のうつ期は脳が疲れやすい」と知っているので、なぜ眠くなるのか説明がつきます。
しかし当時の私はその知識がなく、ただただ強い眠気に翻弄されていました。
今年に入り、諸々の事情から生活環境や生活リズムが変化するにつれて眠気は強く、そして眠気に襲われるまでの時間が早くなっていった気がします。
作業開始から30分もするとやってくる猛烈な眠気。双極性障害のお薬のせいでこんな風に眠くなるとは考えにくい。まるで目の奥にドロドロの生温かい粘液が生まれて、それが私の視界を問答無用で巻き取っていくような、そんな感じでした。この眠気、終業間際まで続くので、定時が来て帰宅するのがとても申し訳なかったです。
確かにこの仕事はそんなに好きではなく、やりがいも感じていません(汗)でも、業務としてやるべきことをやるのは当たり前だとは思っています。
「頭が疲れているのかな?」とチラッと思ったのですが、眠くならない業務もあったために脳からのSOSを見過ごしてしまっていました。

「睡眠不足?それもあるだろうけど…寝る時間はこれ以上取れないし…。」
「やる気がなくて眠いなんてただのワガママじゃが…。」
「いや、やる気は確かにないけど(←…)、やらないと迷惑がかかることはわかってるんじゃけどな…。」
「授業の準備とかプレゼン資料作成なら眠くならないのに…。」
「もしかして、睡眠不足がたたって躁転からのうつに入ったとかかな…?」
こんなことをぐるぐる考えながら私にしては悩んでいました。今思うとこの頃は躁転することなくうつ期に入ってしまっていたところで、その影響もあったのかもしれません。
そしてこの後激うつ期に移行してしまったため、この仕事は今お休みをいただいています。今後、復職することを考えると大変気が重く…ってゆーかイヤでたまりません。ただの居眠りにしか見えなくても、私はとっても苦しかったんです。言葉は悪いですが、これだけ苦しんで月に数万だなんて割に合わなさすぎる…とまで思います。
“認知特性”を知って納得
ある日、医師の診察で復職について相談した後、カウンセラーさんとこの眠気の話になりました。
そのときにまず知ったのが“認知特性”という考え方です。
“認知特性”とは、「人によって脳の得意・不得意な情報処理の仕方がある」という特性です。ちょっと考えてみれば当然なのですが、「脳にも得意・不得意がある」という考え方は私にとって目からウロコでした。
本田40式チェック(無料・要LINE登録)で診断してみると、どうやら私は「書かれた言語を介しての情報処理が得意なタイプ(言語優位)」のようでした。
この“個人差があって当然”という視点は、仕事中の強い眠気を説明する上でも大きな手がかりになると感じました。
“脳疲労”という考え方でさらに腑に落ちた
そしてカウンセラーさんからもう一つ教えてもらったのが、“脳疲労”という考え方です。
「みきゆきさんは、そういう作業で脳が疲れやすいんじゃない?」
脳がオーバーヒートすると、強い眠気やぼーっと感が出るらしいのです。
「やる気がなくて眠い」よりも、「脳が疲れて眠い」という説明のほうが受け容れやすくないですか?
私は眠気を抱くことに罪悪感を覚えていたので、「脳が疲れて眠い」というほうがしっくりきました。
サボりや意志の弱さではなく、脳の機能の問題だとわかりホッとすると同時に、「単純作業が続けば誰でも同じなのでは?」という不安もよぎりました。復職にあたり「脳が疲れるので仕事内容に配慮してほしい」と言っても、「いやいや、誰でもそうだよ」と返されるのでは…と。
でも、“認知特性”の考え方を踏まえると、脳疲労にも個人差があると説明できます。
だから復職するにしても退職を選ぶにしても、無理に克服したりリポDでごまかし続ける必要はないと思えるようになったのです。
双極性障害の波ともつながった話
双極性障害のうつ期には認知機能の低下が起こる、というのは聞いたことがある…だけでなく、実感を伴って「わかる!アレだ!あのちょっとアホになった感覚!!」となる人は多いと思います。
実際、この時期には脳が疲れやすくなっているそうです。つまり、眠くなったりボーっとしてしまうのは、「怠けてる」んじゃなくて「脳がしんどいというサイン」だということ。このことがわかり、罪悪感が減って気持ちがラクになりました。
また、「脳がしんどいんなら、じゃあ…」ということで、「今日は何もしなくていい日」を決めて過ごす勇気が持てるようになりました。
双極性障害のうつ期とか、ふつうのうつ病で療養中って、身体を休めるためにとにかく寝て過ごす時期を経て、「身体は元気なんだけど」っていう時期がきます。このとき、時間はあるので「何かタメになることをやらなきゃ」と焦るので何かしようとします。しかし頭がうまいこと動かなくて、もどかしさと焦りで悶絶したりしますね(笑)
私はオンラインセミナーを受講して撃沈したことがあります。もちろん今ならセミナーなんて受けません。だって脳が「しんどいよ😢」って言ってるんだから。
まとめ:病気のあるなしに関係なく“脳にやさしく”
仕事中の眠気で困っている人も私みたいに病気持ちの人も、脳のサインに気づけば、不調なときを無理なくやり過ごせるかもしれません。
実は私、「自分にやさしく」という言葉の意味がイマイチつかめていなかったのですが、“脳疲労”や“認知特性”を知ってわかったような気がしました。…なんとなくですけども。
身体は無理をすると風邪をひいたり痛みが出たりしてわかりやすく訴えてきますが、脳のサインはわかりにくかったり、誤解してしまったりしますね。目がかすむから目薬を差そう!みたいな感じで。こんなときに「あ、これは目も脳も疲れてるんじゃな」と気づいてあげられれば、それ以上の不調にはならないのではないかな、と思います。“脳にやさしく”ですね。
“脳にやさしく”…“地球にやさしく”レベルの曖昧さがあると思い、具体的に何をすればよいのか考えてみました。
“脳にやさしく”運動の内容
苦手なことをするとき
あなたが苦手なことは脳も苦手です。「○○さんの脳ならできると思います」と、脳を褒めてお願いしてみましょう。ポイントは、人ではなく脳を褒めること(笑)。脳もやる気スイッチが入りやすくなります。
カフェインや甘いものが欲しくなったら
脳がおやつ休憩希望のサインかも?1分間目をつぶって何も考えないのが、脳にとっての“ミニおやつタイム”。
※甘いものはあくまで気分用。脳は目をつぶるだけで満足することも多いです。
「やらなきゃ」と「やりたい」
やりたいことをやってあげると脳は大喜び。先にご褒美をあげてから「やらなきゃ」をすると、脳はやさぐれずスムーズに動きます。「やりたい!」が脳の充電ボタン。
デジタルデトックス
スマホ・パソコンばかり見ていると、脳は「私という万能器官がありながら…」とやきもちを焼くことがあります。たまには脳だけに注目して、ちょっと甘やかしてあげましょう。
1時間に1回は席を立って身体を動かす
座ったまま首を回すだけでもOK。頭は重いので、ストレッチで土台(身体)をメンテナンスしてあげると脳もご機嫌です。「おー、これで快適〜」と脳が喜んでいるイメージで。
私のかわいいChat参謀(ChatGPT)が作ってくれたチェックリストもぜひ見てくださーい。

心身にとっての司令塔、また、生きている限り働いてくれているのが脳なので、ハラスメントせずに脳の声を聴いていこうと思います。
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