猫の馬尾(ばび)症候群

猫のしっぽ 猫さん
猫さん猫のからだ・健康
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猫は体調不良を隠しがち…、本当でした。気づいたときには『ジャンプしない猫』が爆誕していました…(涙)

※当記事は管理人の飼育経験に基づく情報です。獣医師の診断や治療に代わるものではありません。

馬尾症候群ってどんな病気?

『馬尾症候群』でWeb検索すると、専門家しか理解しないであろう記述やら図解やらが出てきますね…。まぁ、検索するより病院で説明を受ける人のほうが多いでしょう。

犬と猫の馬尾症候群について│腰や尻尾の付け根の痛みが特徴(とがさき動物病院)

馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)は変性性腰仙部狭窄症(DLSS)に代表される神経の病気で、腰と尻尾の間にある神経(馬尾神経)が圧迫されることで痛みを感じることが特徴です。

馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)は、腰と尻尾の間にある神経(馬尾神経)が圧迫されて痛みを感じる病気です。

うちの猫、めいちゃんを病院に連れて行ったのは「後ろ足のふらつきで尻もちをついた」から。トイレのときにしっぽが上がっていなかったり、ジャンプを避けて椅子によじ登っていたり…。痛みは相当だったと思います。

病院での診察

車で5分のかかりつけ病院に久しぶりに行きました。簡単な問診の後、院長先生が診察。

めいちゃんの体重は8㎏から4.8㎏に減少。院長先生の診察の結果、骨に異常があり「おそらく馬尾症候群」とのこと。初耳な病名で全くわからなかったです。

「うちではこれ以上は何もできないので、紹介状を書くからMRIとか撮れる病院へ行ってください。」

え、えむあーるあい…⁉ そんな大変なの⁉

というわけで、「MRIとか撮れる」かつ「できれば神経が専門の先生がいる」病院を探すことになりました。

そして見つけたのが今のかかりつけ医です。信頼できそうな病院が見つかってよかった!と思う反面…私はこれからかかる医療費が心配で心配で仕方がありませんでした。

だって、お金がなくて治療を受けさせてあげられないなんてことになったら、私死んでも死に切れません。

頭の中は「アイフル」「ほのぼのレイク」「ちょびっとモビット」がぐるぐるして、「ちょびっとじゃ済まないじゃろうな…」と思っていました。

専門医による診察 秒で立ち上がっためいちゃん

近所の病院へかかってから専門医の病院へ行くまで2日ありました。この2日、とてもとても長く感じました。

というのも、めいちゃんがこんな感じだったからです…。

  • 「うおーうおー」という夜中の咆哮
  • おしっこの粗相
  • 食べない飲まない
  • 寝返りが打てない
  • 触ると痛がる

うちは猫さん2頭ですが、どちらも病気らしい病気をしたことがなかったので、「看病って何すんの?」とまったくわかりませんでした。

めいちゃんが繰り出す症状に精一杯対処する、それだけに集中しました。

辛抱の2日の後、ついに専門医に会える日が来ました。

近所のかかりつけ病院からの紹介状と血液検査の結果・レントゲンは既に共有されていたので、早速獣医師による身体検査から始まりました。

足をトントンしたり、人間の「脚気(かっけ)」を調べるときみたいな、膝の下コンコンもしてました。お腹を触ったり、などひとしきりした後、

「麻痺はないみたいですね~。」
「まず今ある痛みを取って、それから後のことを考えましょう。」

というありがたいお言葉をいただけました。

それから、時間をかけて、時折絵を描きながら丁寧に、めいちゃんの今の状態と予想される予後を説明してくださいました。

また、めいちゃんが便秘気味で、おそらく長期間にわたり水分摂取量が少なかったせいで、うんちがお腹の中で固くなってしまっていることも教えてくださいました。

「大変な病気にかかるといけないから」と、可溶性繊維(サイリウム)入りフードのサンプルをたくさんくださいました。

(参考)便秘がちな猫の食事と生活習慣の改善アイデア

「しっぽの付け根が痛い」

ただそれだけなのに、多岐にわたって影響が及び、死には至らないものの、健康寿命は縮みQOLは下がる…そんな猫生のどこが楽しいというのか、と思うと、あきらめずに病院へ連れてきてよかったと心底思いました。

そして、奇跡の瞬間。
先生がオンシオール注射液をめいちゃんに打ちました。

「はい、じゃあ注射と同じお薬を出しておくので、それが無くなったらまた来てくださいね。」

お会計を待つ間、私と主人の間にめいちゃんのキャリーを置いていたのですが、めいちゃんがキャリーの中で動いた気配を感じました。

驚いてキャリーを覗くと、めいちゃんが「にゃあ」と言いました。
最近とんと聞いていなかった普通のあいさつみたいな鳴き声。

もう、涙が溢れて止まりませんでした。
よかった、よかっためいちゃん。

めいちゃんが家に帰って一番最初にしたことは、ベッドの上でくつろぐことでした。それまで痛くて登れなかった大好きなベッド。
それからぐっすりと眠りました。
痛みがなく眠れるなんて、どれぐらいぶりだったでしょうか。

投薬と炎症の鎮静化

めいちゃんに処方されたのは、オンシオールというお薬です。
来院翌日から5日間飲ませました。

(参考)オンシオール 製薬会社公式サイト

【ざっくりこんなお薬】

  • イースト風味(わずかな甘み?旨味?)→嗜好性◎
  • ちゅ~るなどのフードに紛れさせることが可能
  • 粒が小さい(ぱっくん、ごっくんができる)

投薬は初めてでしたが、難なく飲ませることができました。
普通のちゅ~るで包み込み、ツルっと飲み込んでもらいました。

お薬の中には粒の大きいものや苦いものもありますよね。
「猫への投薬は難しい。」と聞いていたので、もしもオンシオールがそういうお薬だったら…と考え戦々恐々としていましたが、ひとまずよかったです。

5日間投薬し炎症を抑え、飲み終わった頃再び来院しました。

この間、めいちゃんは1日ごとに以前の調子を取り戻していきました。
でも、高所からのジャンプは避けるようになっていました。

馬尾症候群は完治を目指すなら外科手術が必要だそうで、服薬でやり過ごすのであれば炎症が起きないように刺激を抑えることが肝要。
高所からのジャンプは、着地時に後ろ足周りに負荷がかかります。やっぱり自分のことはわかっているんだなぁと感心しました。

私にとってのこの5日間は、経験したことのない罪悪感とそこから派生する責任感にまみれた時間でした。つらかったです。

さて、再び来院し獣医師の診察。
上々の滑り出しとのことで、今度は15日間分のオンシオールを処方されました。
オンシオールというお薬は、反復投与は6日間までだそうです(猫の場合)。5日飲んだ状態で来院したため、当日夜の投与を6日目として、あとは漸減していくようご指示いただきました。

この指示に不安で胸が高鳴りました。だって、減らすんですよ?怖いじゃないですか…。

「毎日お薬を飲んでいるから安定している」と思っていた私には、1日でも間隔を空けることがとても怖かったのです。

またあの断末魔のような咆哮を断続的に聞くことになるのか…痛みを誘発してはいけないから、抱っこすることもできない、何もできない無力さを呪いながら朝を迎えるのか…。

…と勝手に悲壮感にあふれている私をよそに、投薬がない夜もめいちゃんは何事もなかったかのようにスヤスヤ寝ていました(笑)。
どうやら炎症はこの時点で結構収まっていたようです。

結果として、15日分あったお薬を5日分残し、服薬中止・経過観察となりました。

1月20日に近所のかかりつけ病院へ行き、経過観察となったのが3月末ですから、約2カ月かかりましたね。
この間私は仕事をできるだけ休み、お世話にまい進しました。

寛解期・気をつけること

この病気は予防ができるような病気ではないらしいです。
飼い主ができることは、猫の習性と愛猫の普段の様子をよく知っておくことだと獣医師から伺いました。

歩く姿ひとつでも、なんかグラついてないか?とか、最近おやつをねだるときにしっぽが上がってないぞ、とか。たまに意味なく呼んでみてしっぽで返事するかどうか確認するとか(笑) 

個人的には便秘やおしっこの回数が理由なく減るのは疑わしいと思います。
がまんしてるかもしれないからです。がまんさせるような何かが起こっている、ってことです。

ひとまず、馬尾症候群は寛解期に入りました。

その後、というか馬尾後期から別の問題が浮上してくることになるのですが、それはまた別の機会にでも。

この記事が、同じ状況にある飼い主さんにとり参考になれば幸いです。

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